過去に活動した研究会

研究会テーマ

研究会 No.15 (2004年上期設置、2005年上期第2期設置、2006年第3期設置、2007年第4期設置、2008年第5期設置、2010年第6期設置、2012年第7期設置、2014年第8期設置)
座長/吉野 太郎氏(東京ガス株式会社)
研究会テーマ
改訂版COSO内部統制フレームワークの内部監査での活用事例 〜ERM監査への展開も含めて〜
研究の前提となる考え方
  • 周知のとおりCOSO(トレッドウェイ委員会支援組織委員会)は2013年5月、20年ぶりに『内部統制の統合的フレームワーク』を全面改訂し、2014年2月にはその翻訳が刊行されている。
  • 改訂版フレームワークの最大の特徴は、内部統制の5つの構成要素に関連付けられた基本的な概念である17の原則と、原則の重要な特性を記述した87の着眼点を提示したことである。原則は構成要素の基礎となる考え方を体系的に記載したものであり、内部統制を設計、適用及び運用する際に、そして内部統制の有効性評価を行う際に役立つ汎用的な基準を示している。着眼点は、原則が何を意味するのか、また原則を満たすためにどのようなコントロール(統制)が必要であるかを理解するために役立つよう原則を補足している。
  • 従来、内部統制の有効性評価には主観的な判断に陥りやすい側面もあったが、原則と着眼点を参照することにより、より客観的に行うことができ、原則と着眼点は内部監査の品質を向上させるための有力なツールとして活用が期待される。
  • また内部統制はERMの不可欠な一部分であるため、ERMに対する内部監査の品質を向上させるためには、内部統制に対する内部監査の品質を向上させることがまず必要である。
研究内容
改訂版COSOで提示された原則を、内部監査の品質を向上させるためのツールとして活用できるようにするために、原則単位で、内部監査における具体的事例、及び内部監査における確認事項や内部監査の実務で役立つ視点(以下「具体的事例等という」)をまとめる。なお、対象は内部統制に限定せず、ERMも含める。
  • 留意事項
    報告書の作成に当たっては以下の点に留意する。
    1. 内部監査の実務に活用できることを第一の目的とする。そのため、研究会では原則を内部監査での事例に即して(事例をイメージしながら)理解することに注力する。
    2. 原則そのものの解説を行うことは目的としない。
    3. 原則は、米国企業を念頭に作成されたものであるため、我が国企業における内部監査で活用できるよう、我が国企業の実態に即した具体的事例等を作成する。
    4. 改訂版COSOには、取締役会及び代表取締役(の行為)を念頭に置いた記述が随所にあり、被監査部門の内部統制、リスクマネジメント、さらにはERMを評価し、改善提言するという内部監査の実務に活用できる具体的事例等を作成する。
    5. 原則は、内部統制の設計、適用及び運用、ならびに内部統制の有効性評価という幅広い目的で作成されているため、原則を「内部監査目的」、さらにはERM監査で活用するという観点から、具体的事例等を作成する。
    6. ERM監査への展開としては、例えば戦略を実現するプロセスの有効性を評価するための原則の活用事例を作成する。
    7. 改訂版COSOの「ツール編」で紹介されているテンプレートの作成を目的とすることはしない。
  • 基本文献(参考文献)
    以下の2点の書籍を基本文献・参考文献として使用する。研究会は1.を参照しながら進めるため、1.を持参することを参加要件とする。なお、2.を持参することは参加資格とはしない。
    1. 基本文献
      ラリー・E・リッテンバークCOSO名誉会長著 八田進二監訳 堺咲子訳
      『COSO内部統制の統合的フレームワーク ― 内部監査に活かす原則主義的実践ガイド』
      (2014年3月 日本内部監査協会刊)
    2. 参考文献
      八田進二・箱田順哉監訳 日本内部統制研究学会 新COSO研究会訳
      『COSO内部統制の統合的フレームワーク』
      (2014年2月 日本公認会計士協会出版局刊)
研究方法
  • 第一ステップとして、改訂版COSOの原則を正確に理解することを目指す。そのため、上記基本文献(『COSO内部統制の統合的フレームワーク ― 内部監査に活かす原則主義的実践ガイド』)を用いて、原則の具体的内容について理解を深める。
  • 第二ステップとして、「原則」単位で各人が分担して報告書の原型(「原則」単位)を作成し、メンバー全員で議論して完成度を高める。
  • 第三ステップとして、報告書の原型がある程度まとまった段階で合宿を実施し、17の原則全体を横並びで確認し、整合性を整えて、報告書原案を作成する。
活動方法
  • 例会は原則として、毎月1回、18:30〜20:00。
  • 第1回例会は、12月もしくは1月に開催する。(開催日は入会希望者が出席しやすいと思われる時期を勘案した上で、追って決定する。)
  • 2015年12月までの研究報告完成を目指す。
  • 各人が分担して報告書をまとめる。
メンバー募集
終了しました

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